放浪記 林芙美子作

 最近、書店で林芙美子作の「放浪記」を手に取り何気なく購入しました。

読もうと思ったのは、子供のころにNHKでテレビドラマ化されており、その

原作に興味があったからかも知れません。この小説は作者の生涯に

わたる放浪と貧困について書かれてあります。特に生活苦についての

記載はすさまじく、それこその日の食べるものにも事欠く生活が延々と

描写されます。ただこのような悲惨な暮らしにもかかわらず、本人は妙に

さばさばとして、このような生活を面白がっている様子があり、

一種の救いとなっています。また作者が出会った数々の男性との

愛憎模様もなかなか興味深いものでした。一言でいえば男女の関係の

不条理さとでもいうものですが、これから恋愛をする若い方も読ん

で非常に勉強になると思います。

 ちなみに林芙美子さんは最終的に戦後流行作家になられるのですが

惜しいことにわずか47歳で持病の心臓弁膜症で亡くなられました。

 この小説の立派だと思うところは、一人の女性のサクセスストーリー

ではなく、最後まで日々の生活で作者がのたうちまわっている

様が書かれていることだと思います。