巷の無責任な情報に惑わされないためには

先日、ある週刊誌に「医者と病院にダマされるな!」飲み続けてはいけない薬という記事が出て、心配された患者さんから何件か問い合わせがありました。この記事の中では医師は安価な薬でよいのに、製薬会社の販売戦略に乗せられて高い薬を使っているなど、きわめて巧妙に医者たたきの印象操作がなされており偏った情報を一般の方に与えていました。
 別に製薬会社と何の利害関係はありませんし、どの製薬会社の薬でもいい薬であれば使うというだけで、それ以外には何も考えていないので、ダマされるなとは心外です。医師の中にも心がけの悪い人がいて、診療報酬をごまかしたりしてマスコミをにぎわしていますが、そのような人はごく一部にすぎません。マスコミもこのような話題をことさらに過大に報道する風潮があり困ったことです。
最近のインターネットの発達で、検索をすれば一般の方も簡単に医療情報を得ることができ、このようなインターネットサイトもそれなりの意義はあると思っています。ただ、それらの情報のなかに医療関係者から見て明らかに誤っているもの、あるいは不正確なものがあり注意が必要です。インターネットで検索した情報が信頼性を、簡単に見分ける方法としては、その見解はこのようなデータによっていると、根拠をはっきりさせているかどうかです。専門家はいやしくも自分の見解が活字になるときには、文献にはこう書いてある、あるいは自分のデータではこうだと、自分の意見の根拠を明らかにする責任があるからです。
米国では医療情報の権威ある検索サイトにも、患者さんのための情報が掲載されていますが、残念ながら日本ではまだそのような環境が整備されていません。では患者さんが正確な情報を得るためにはどうしたらよいのでしょうか。検索サイトの中で信用して良いと考えられるのが、学会や大学病院のホームページです。この頃はこれらのホームページに患者さん向けの情報を分かりやすく掲載しているものが多く参考になると思います。
しかしながら患者さんが医療情報について疑問があるときに、真っ先に相談していただきたいのは、皆さんのかかりつけ医です。どうか皆さんも巷のいろいろな情報に振り回されるのではなく、我々医師の専門的知識を上手に利用するようにしてください。こちらも時間のある限り、誠実に対応させていただくつもりです。