最近多くなった病気―大動脈弁狭窄症

高齢化の時代の到来とともに、昨今の循環器内科医が診る病気も変化してきました。私が医者になったころは、弁膜症といえばリウマチによるものが主流でした。最近では大動脈弁の変性による大動脈弁狭窄症が良く見られるようになってきました。この病気は一言で言うと、年齢を重ねることで大動脈弁が硬く狭くなり、心臓からスムースに血液を大動脈に押し出せなくなる病気です。症状としては血液を心臓から送れなくなることによる、運動時の呼吸困難やだるさ、あるいは重症の方では意識消失発作や、狭心症のような胸の痛みを起こしたりすることがあります。特に注意すべきことは、大動脈弁の病気は一旦症状が出ると、急激に悪化することがあり、早期に発見することが重要であり、一旦症状が出たら早急に対処する必要があります。
 聴診器を当てれば診断することが出来るため、この病気を見つけることは循環器を専門としている医師の大切な仕事です。私も診察するときは、特に年配の方では左乳頭の下から、右の鎖骨の辺りに、心臓が収縮している時(収縮期)にザーザーという雑音がないか注意して聴くようにしています。このような雑音があれば心臓超音波で重症度を評価します。
 重症大動脈弁狭窄症の標準的な治療は、大動脈弁を手術で人工弁に取り換える大動脈弁置換術ですが、最近では何らかの合併症があり手術の出来ない人でも、カテーテルで大動脈弁を広げ、大動脈弁を留置してくる経カテーテル大動脈弁置換術(TAVI)が開発され、以前は見守るしかなかった方に治療の可能性が出てきました。
 以上、ご高齢の方の大動脈弁狭窄症につき紹介しました。何かご質問があれば院長までお願い致します