開院10年目を迎えて

早いもので本年6月に開院して10年となります。地域の皆さまや、連携をしている病院の関係者の方々のお力のお陰と深く感謝しております。やはり医療で最も大切なものは人間関係だと身にしみて感じます。
 昨今の医療費削減の政府方針から、診療報酬も減少傾向であり、2年毎の診療報酬の改定では、医院の運営も難しい選択を迫られることも多くなりました。ただ最近よく、私の恩師である神戸労災病院の副院長をしておられた種本先生のお言葉をよく思い出すようになりました。当時、神戸労災病院を取り巻く環境が変化していく中で、「一生懸命勉強して、一生懸命患者さんを診れば、収支はついてくる」とおっしゃっておられました。当院も先生のお言葉通り、一生懸命患者さんを診れば、何とか我々の生活の糧は与えていただけるのではないかと考えます。今年、65歳になりますが、毎年振り返ってみますと、ほんの少しではありますが、進歩しているように思います。そのため自分が進歩し続けていると思う間は、今の仕事を続けたいと常に思っております。また60歳を超えたころより、周りの人はこちらが間違っていても教えてくれなくなりました。ただ当院ではいまだに院長が間違っていれば、「先生違っていますよ!」と教えてくれます。院長の間違いを寄ってたかって直してくれます。このようなスタッフを持っていることを本当に誇りに思います。
 最後に当院の今後の診療方針についても述べさせていただきます。ただ方針といっても特に変わりはありません。以前より申しておりましたように、今後とも患者さんに画一的な診療をしないよう注意します。例えば風邪ひとつでも、十人十色といいますが、患者さんそれぞれで病気の様子は変わってきます。そのため丁寧に診察し、患者さんごとの最善の治療を考え抜くようこれからも努めます。今までと同様に、患者さんの訴えに耳を傾けるように努めます。患者さんは医院に来られるときに、病気に関するいろんな心配事があり、それを聴いてもらうために来られているのだと思います。我々も忙しくなるとついおろそかになってしまいがちですが、患者さんの語る物語に虚心に耳を傾けるよう今後も努めたいと思います。
 大過なく10年を迎えられたことは、スタッフに感謝するとともに、素直に喜びたいと思います。ただ勝って兜の緒を締めよといいます、今後も慢心せず努力してゆきますので、皆様のご指導、ご鞭撻をお願いいたします。