神戸市東灘区(甲南山手) 内科・循環器内科 高血圧・糖尿病・高脂血症・心不全


つじもと内科・循環器内科

暑い夏に備えて今から準備を

 この原稿を書いているのは、まだ5月末ですがこの時期でも
すでに熱中症で搬送され死亡されたとの報道が頻繁になされて
います。令和元年のこの時期は、5月であったとして例年より気温
が高く熱中症予防に充分な注意が必要と考えられます。
 人間が暑熱環境にさらされたとき、体の中にこもった熱を下げる
には2つのメカニズムしかありません。即ち皮膚の表面への血液量
を増やして熱を外気に捨てるか、汗をかいて気化熱で体温を下げる
かのどちらかです。暑いときに水分や塩分を充分に補給できなかった
ときに、このメカニズムがうまく働かなかったときに、熱中症が起こります。
熱中症の症状としては、めまい、ふらつき、筋肉のけいれんなど
いろいろな症状がありますが、暑熱環境に暴露したあとに起こる
体調不良などの諸症状を熱中症と呼んでいいと思います。
 最近の傾向として熱中症の発症率は、男女とも70代から増加して
おります。そのため高齢者の熱中症対策が大変重要とされています。
また熱中症は高齢になるほど、中等症や重症の割合が高く、高齢者
では50%以上が中等症以上です。また高齢者の熱中症のおよそ半数
が住宅内で発生しています。
 これからますます暑くなりますので、本当に暑くなる前に以下
のチェックリストを参照いただき、対策を立ててください。

1.日当たりの良い窓にカーテン
カーテンで直射日光を遮り、室温上昇を防ぎましょう。

2.扇風機やエアコンの準備
暑くなってからでは間に合いません。エアコンはちゃんと
動きますか?今から試運転しておきましょう。

3.冷蔵庫に水とおしぼり
日本茶やコーヒーなどは利尿効果があるため、水分補給には
向きません。冷えた麦茶か水を冷蔵庫に用意してください。

4.暑さになれる工夫(定期的外出、軽い運動)
暑さになれるため少し体を動かして汗を出すようにしてください。

5.暑いときにシャワーや体拭きができるか
汗をかいた後には、水分が蒸発あとに皮膚の表面に塩分が付着する
ことがありますが、皮膚の表面から水分が蒸発しにくく、先に
述べたような気化熱で体温を下げるしくみがうまく働かないことが
あります。シャワーを浴びるかこまめに体を拭きましょう。

6.部屋の温度を測っているか
皆さんは体温は測っておられますが、部屋の温度はあまり測って
おられないように思います。部屋の温度が30℃以上となりますと
体の表面から熱を逃がすことができなくなるため、エアコンなどで
部屋の温度を下げる必要があります。エアコンをつける部屋の温度
の目安は30℃と考えてください。

7.困ったときの連絡先はあるか
熱中症で体調が悪くなったときどこに連絡するのか、今から確認
しておきましょう。かかりつけの先生、訪問看護、ケアマネージャー
などの連絡先を確認しておいてください。

上記は環境省 熱中症予防情報サイト内の
熱中症チェックリスト(中井誠一 監修)を参考にしました。

カテゴリー:お知らせ   |   2019年5月28日

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