内 科
かぜ、インフルエンザ、胃炎、胃腸炎、扁桃腺炎、気管支炎、慢性気管支炎、アレルギー性鼻炎など内科疾患全般の診療を行います。肺炎はたいてい胸部レントゲンで診断がつきますが、肺の超音波検査で、レントゲンでは分からない程度の肺炎を診断できることがあります。
開業医の仕事はかぜに始まりかぜに終わるといいます。かぜをしっかり診るということは、とても大切なことだと思います。かぜなど比較的良く見られる疾患は、とかく軽視されがちですが、適切な管理を行わないと病気が重症化したり、また糖尿病や悪性疾患などのより重篤な病気の初期症状であることもあります。大したことがないと思っても症状があれば早めに受診されることをお勧めいたします。
診察のときに注意していることは、血圧、脈拍などのバイタルサインと胸部の聴診などの診察所見をしっかりとることです。診察所見を押さえておけば、患者さんの病状の変化を早期に発見することができます。また患者さんの訴えから病気の重症度を感じ取る、感性を研ぎ澄ますことも重要です。
高血圧
高血圧は初期には無症状ですが、放置すると脳血管障害や狭心症、心筋梗塞などの重篤な合併症につながる恐れがあります。
当院ではいろいろな血圧降下剤を用いて厳密な血圧の管理を行います。最近の報告では高齢になっての認知症を予防するために、中年期に充分血圧が大切とされています。最近では血圧降下剤がよくなり、日本では脳内の血管が破れる脳出血は減少していますが、逆に脳内の血管が閉塞する脳梗塞は逆に増加しています。
また高血圧の合併症の脳出血や脳梗塞にならず、病気から逃げきったと思っても、高齢になり前述した認知症や心不全になる方が多くなっています。日々の血圧のコントロールはいずれの年代でも大事です。
糖尿病
食生活の欧米化にともない、最近糖尿病患者数が増加してきました。糖尿病では、充分な血糖のコントロールをおこなうことが糖尿病性血管障害による合併症(腎障害、網膜症、神経障害)を防止することに有効です。
糖尿病性腎障害により透析を余儀なくされる場合や網膜症により失明にいたることもあります。
最も大切なことは早期の診断、治療です。糖尿病は生活習慣病ですので、病気のコントロールは医師だけの責任ではなく、患者さんの協力が不可欠です。医師も薬を出して終わりというわけではなく、常に経過を観察し、細かく食事や間食、運動などに注意し患者さんとともに治療を進めることが必要です。
高脂血症
高脂血症は高血圧や糖尿病、喫煙などを合併すると動脈硬化を増悪する誘因となることがあります。
健康診断などでコレステロールが高いといわれた方はご相談ください。最近では動脈硬化学会の高脂血症治療ガイドラインが改訂されました。それにより患者ごとに危険因子をスコア付けし(吹田スコア)、今後10年間の冠動脈疾患の発症頻度を予測し治療方針を決定します。
当院では学会のガイドラインに準拠し高脂血症の適正な治療に努めます。また頚動脈エコーを行い動脈硬化の程度の評価を行います
ぜんそく
気管支喘息は発作性にゼイゼイという呼吸をきたし、呼吸困難をおこす病気で、アレルギーの関与が考えられております。
また風邪や気管支炎などの感染症にかかることや、大気汚染で増悪することがあります。以前は気管支の痙攣が症状の原因とされておりましたが、最近の考え方では気管支の炎症が原因との考えが有力です。日本アレルギー学会による治療ガイドラインの普及、具体的には吸入ステロイド剤の比較的早期からの投与により、気管支喘息の症状のコントロールは以前に比べはるかに容易になってまいりました。
当院におきましてもガイドラインに準拠した治療を心がけますので、上記のような症状のある方はご相談ください。
慢性閉塞性肺疾患
慢性閉塞性肺疾患(COPD)は主として喫煙者にみられる病気で、いわばタバコ病ともいうべきものです。喫煙を続けていると最初は平地を急いで歩くと息が苦しいという程度でも、そのうち症状が年々進行し最後には息が苦しくて、家から出られなくなるような程度まで進行する可能性のある厄介な病気です。
慢性閉塞性肺疾患の治療の第一歩はまずタバコを止めることです。COPDは症状がないか、軽度でも早期に治療すれば病気の進行を抑えることができます。
また症状があるときも適切に治療すれば病気の進行を抑えることができます。COPDではスパイロメーターで特異なパターンを呈するため、この検査でCOPDの診断や重症度の評価が可能です。
メタボリック症候群
平成20年4月からはウエストの大きい方に対してメタボリックシンドローム健診が制度化されました。メタボリックシンドロームとは内臓脂肪の蓄積により、血糖を低下させるホルモンであるインスリン効き目が悪くなること(インスリン抵抗性)により高血糖となったり、インスリン抵抗性により生じた、血液中のインスリン増加から高血圧、脂質異常から動脈硬化をきたすことから生まれた概念です。
原因としてはカロリー摂取過多や運動不足が挙げられます。現在症状がなくても適切な管理を行わないと、将来心筋梗塞や脳梗塞などの重篤な疾患の原因となることがあります。最近おなかの周りが大きくなってきた方や急に体重が増加してきた方は気軽にご相談ください。
良性発作性頭位眼振症
これは耳の奥にある三半規管に、耳石という小さな石のようなものが、こぼれることによって起こる病気です。この病気は激しいめまいを伴うことがあり、決してまれな病気ではありません。この病気の治療には、意外と思われるかもしれませんが、投薬に加えて体位や頭の向きを変換させるリハビリが大変有効です。
もちろん脳梗塞、脳出血などによるめまいを慎重に除外する必要がありますが、診察でどの三半規管に耳石が落ちているかの見当がつけば、その場で体位や頭位を変換しすぐに症状が軽快することがあります。
また仮にその場で治らなくても、適切に体位や頭位を変換するリハビリを指導すれば、かなりの割合で症状が治まるという印象を持っています。このような症状があれば是非ご相談ください。
禁煙外来
禁煙の弊害はすでに言い尽くされている感があります。即ち喫煙を続けていると、肺がんを初めとした、がんに罹患する頻度が高くなります。
さらに喫煙は前述した慢性閉塞性心疾患や狭心症、心筋梗塞などの冠動脈疾患の発症と密接な関係があります。
また受動喫煙と言って、喫煙している人のタバコの煙を吸い込むことは、喫煙者異常に周囲の人の健康に悪影響をもたらします。
このようにタバコは健康に悪いことが分かっているのに、なかなかタバコをやめることはできません。ある報告では自分の意思だけでタバコを止めようとしても、その成功率は5%程度に過ぎないとされています。
一方、禁煙外来に通い、禁煙治療のプログラムを最後まで続けることができた方の、禁煙の成功率は50%近いとされています。タバコを止められないということは、ニコチン依存症という病気であると考えられており、禁煙治療に保険は適用されます。禁煙の治療には内服薬と皮膚に貼る、貼付薬が用いられます。
タバコをどうしても止められないかたは、一人で悩まず是非ご相談ください。
認知症
認知症とは脳神経の変性や脱落により生じる病気です。症状としてはもの忘れや、物の名前が出てこない、あるいは今日は何日かわからない(見当識障害)というような症状で始まり徐々に進行する病気です。
正常の方も年配になるとある程度のもの忘れがあると思いますが、その場合は体験したことの一部は覚えています。それに反し認知症では体験したことを、まるごと忘れてしまうというような特徴があります。認知症がさらに進行すると怒りっぽくなったり、現実には起こっていないことを起こったと言い張ったりする妄想が起こったりします。
認知症になると、もの忘れや、見当識障害により今までできたことが不可能となり、本人は強い喪失感や社会からの疎外感を感じることが多くなります。
また介護する方も、患者さんの性格の先鋭化による怒りっぽさや、物取られ妄想などに苦しむことになります。
認知症を適切に診断し、早期に認知症治療薬を投与すれば、認知症の進行を遅らせることができる可能性があります。認知症の診断には、当院では血液検査にて甲状腺機能低下やビタミン欠乏症などの認知症と同様の症状をきたす疾患を除外し、問診票により認知症の3つの病型(アルツハイマー型認知症、血管性認知症、レビー小体型認知症)の鑑別を行います。
当院は平成30年より開始される、神戸市認知症診断助成制度対応医療機関に応募しております。認知症を疑う症状があれば是非ご相談ください。
外国語診療
最近は日本に観光などで来られたり、在住される外国人の方も多くなり外国語での診療の必要性も以前より高まってきたと感じています。
そこで外国語診療の当院での対応につき説明させていただきます。外国語のレベルですが、英語は医療の範囲内であれば、ある程度は意思の疎通は可能です。中国語は正直、英語より自信はありませんが、中国語での簡単な診察、病気や内服薬の説明は可能です。
ただ英語についても同様に言えることですが、複雑な説明や微妙なニュアンスは伝わりにくいかと思いますので、できれば日本語のわかる方と来院されるようお勧めします。
また外国語問診票は英語と中国語のものを用意しておりますので、診察前に記入をお願いいたします。