神戸市東灘区(甲南山手) 内科・循環器内科 高血圧・糖尿病・高脂血症・心不全


つじもと内科・循環器内科

新型コロナウイルス関連肺炎についてー第2報―

先月も新型コロナウイルス関連肺炎についてお話しましたが、厚生労働省のホームページによれば2月29日の時点で国内感染者は239名となり国内での感染の拡大については先を見通せない状態となっております。しかしながら現在の状況はまだ感染がパンデミック(社会に蔓延している)状態ではなく、皆様におきましても先月に申し上げたように咳エチケットやマスク着用や手洗いなどいわゆる標準予防策を徹底することが、今の時期においても大切ではないかと思います。政府発表の新型コロナウイルス感染症対策の基本方針にありますように、感染経路は飛沫感染、接触感染であり標準予防策は感染予防に有効と考えられます。ただし政府の同感染症対策基本方針では、閉鎖空間において近距離で会話するなど一定の条件であれば、咳、くしゃみがなくても感染を拡大させるリスクがあるとされております。閉鎖空間とは例えばライブスポットやサウナ、トレーニングジムなどを指します。これらの部位は、不特定多数の人が立ち入り、機密性が高く、換気が適切に行われていないなどの特徴があります。このため今の時点では、人込みや大勢の人が立ち入る場所を避け、どうしても入らないといけないときはマスクを着用するなど充分にご注意ください。最近では感染者の中で、感染経路の不明な例も見られます。この原因として新型コロナウイルスに感染しても症状の軽い人が、このような閉鎖空間や人混みで不特定多数に感染させる可能性があるとの指摘もあります。
 また現在、帰国者・接触者相談センターでは武漢や浙江省からの帰国者に限定せず、感染の不安のある方の相談を受け付けています。厚生労働省の指針にもありますように、37.5℃以上の発熱が4日以上続く、強いだるさや息苦しさがあるなどの症状がある時は、同センターにご相談ください。また仮に帰国者・接触者相談センターから受診を勧められたとしても、事前の連絡なしに医療機関を訪れることは避けてください。施設の設備などの関係から、新型コロナウイルス感染症疑いの患者さんを一般の患者さんから隔離する場所や、マスク、手袋、予防衣などを用意することが困難なため、当院におきましては、現時点で受け入れには消極的です。何より医療者の原則として、感染症の患者を診察する場合は、まず自分が感染しない方策を立ててから行うべきと考えております。また当院通院の患者さんや、看護師、事務職員などのスタッフの感染リスクを考慮しての判断ですので、何卒皆様にはご理解いただきますようお願いいたします。ただし当院かかりつけの方からの個々のご質問はお受けしておりますのでお気軽にご相談ください。
 最後になりますが、世の中は新型コロナウイルス関連肺炎一色となっておりますが、忘れていけないのは、糖尿病や高血圧症など慢性疾患や一般的な風邪などの疾患の診療は診療所にとって重要な責務ということです。今後も新型コロナウイルス感染症関連の混乱により、地域医療の遅滞を生じないよう、粛々と日々の診療を行って参ります。

カテゴリー:お知らせ   |   2020年3月1日

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