週刊誌の無責任な記事に迷惑しています。
先日週刊現代6月号に「医者と病院にダマされるな!」
飲み続けてはいけない薬という記事が出て、
心配された患者さんから何件か問い合わせがありました。
この記事の中では医師は安価な薬でよいのに、製薬会社の販売戦略に乗せられて
高い薬を使っているなど、きわめて巧妙に医者たたきの印象操作がなされており
偏った情報を一般の方に与える可能性があると思います。
またコメントをされている先生方も、その根拠を明確にしておられず
あくまでご自分の意見をあたかも通説のように述べておられます。このようなことが
行われると、一般の方に大変な誤解を与えてしまうのではないかと
危惧します。医師がコメントを求められた場合、いやしくもそれが活字になるときには
文献にはこう書いてある、あるいは自分のデータではこうだと、ご自分の意見の根拠を明らかにする責任があると思います。
一例を挙げますと血圧を下げると生命力を下げるとして、降圧剤の投与に
慎重であるとの医師の意見が出ていました。血圧が高いと若年から
中高年まですべての年代で心血管病死の危険が高まると、日本高血圧学会
のガイドラインに明記されており、このような記事で安易に降圧剤を中止する人が出ないか本当に心配です。
カテゴリー:院長のひとりごと | 2016年6月8日