新型コロナ感染症流行の中でー当たり前を守るー
この原稿を書いているのが3月末ですが、東京オリンピックが延期になったニュースに続いてこの週末は首都圏では外出自粛勧告が出て、新型コロナウイルス感染症との戦いは終わりの見えない状態となっています。首都圏とともに大阪、兵庫でも不要不急の外出を避けるよう自治体より勧告がなされ、町は火の消えたような状態になっています。このような状況になって今更ながら思うのですが、何の心配もなしに外出できるという当たり前のことが、いかに有難いことであったと身にしみて感じます。
当たり前という言葉で思うのですが、新型コロナウイルス感染症の流行があるからと言って我々医師の日々の業務がなおざりにされてはいけないと思います。神戸市や兵庫県医師会でも定期的な委員会については、従来通り粛々と行うという方針です。現在の状況でも開業医の仕事は待ってくれません。例えば高血圧、糖尿病などを始めとする慢性疾患の管理、風邪,インフルエンザなどの診断や治療、予防接種などクリニックの外来で行う仕事は山積しています。また中学校の校医として健康診断が4月、5月に控えています。勤労者の健康管理として毎月企業で産業医活動を行っています。さらに老人ホームや在宅への訪問診療を行わないといけません。このようにクリニックが行う当たり前のことは、今でも当たり前にいくらでもあります。新型コロナウイルス感染症で世の中が騒然としていますが、今こそ現在の業務を当たり前に毎日行うことが、我々医師の使命であると考えます。
そうは言っても、決して新型コロナウイルス感染症に対する警戒を緩めているわけではありません。医院としても患者さんや医師の手指消毒や、咳エチケットなどの感染予防には従来以上に注意しております。施設でも外部からの感染に神経質になっており、入口で体温測定を行っております。当医院としては、施設の感染予防対策に協力するとともに、施設を訪問する際には、マスク着用や手指消毒を行い、感染予防には細心の注意を払っています。
結局、今の状況というのは、まずクリニックとして日頃行うべき、当たり前の業務があり、それに加えて上記の感染予防の仕事が加わったというように考えてよいと思います。
まだまだ先の見えない状況が続いておりますが、またいつか新型コロナウイルス感染症が収束して桜の下で楽しくお酒が飲める日がくると思います。それまではお体に気を付けられ、皆で一緒に頑張っていきましょう。
カテゴリー:お知らせ | 2020年3月29日