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新型コロナウイルス感染症罹患患者の職場復帰にPCR検査陰性は必要か 令和4年9月19日

本日の時点で全国的に新型コロナウイルス感染症の新規陽性者数は低下しつつありますがが、現在主流となっているオミクロン株は高い感染性を有しており、今冬にも感染第8波が起こる可能性も否定できません。本年9月に新型コロナウイルス感染症の療養解除基準が短縮されたことを踏まえて新型コロナウイルス感染症の職場復帰の注意点につき述べたいと思います。
今回療養期間が新型コロナウイルス感染症となってから10日間から7日間に短縮となりました。ただし療養期間終了後も感染性が残る可能性があるため、感染してから10日を経過するまでは、検温など体調の観察を行い、多人数の会食、府県をまたぐ移動は避ける必要があるとされています。
新型コロナウイルス感染症罹患患者の復帰基準については、発症後10日を経過し、隔離解除となった後は、感染性はほとんどないと考えられており、復帰に際して原則、陰性証明は不要とされています。(厚生労働省 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)診療の手引き)。新型コロナウイルス感染症罹患後の復帰に職場からPCR検査が必要と言われたとのお問合せをいただくことが時々ありますが、個人的にはこのような検査の必要は全くないと考えています。
 その理由の第1は発症後10日を経過し、隔離解除となった場合、感染性はほとんどないとの厚生労働省の見解であり、これは現時点での日本の医療においての通説と考えられる点です。理由の第2としてPCR検査の問題点が挙げられます。現在、世間一般で新型コロナ感染症においてPCR検査はあたかも万能であるかのようなPCR神話が流布していますが、PCR検査にも問題点があることをご理解いただく必要があります。
 まずPCR検査では新型コロナの生きたウイルスだけではなく、死んだウイルスの破片まで検出してしまうため新型コロナウイルス感染症から回復した方でもPCR検査が陽性であるというようなことが起こってしまいます。ですからこのような検査陽性ということで就労を禁じるというようなことがあれば、労働者の正当な機会を奪うことになりかねません。
 以上のような理由で新型コロナウイルス感染症罹患患者の復帰に際してのPCR検査は原則的にお断りしております。ただ新型コロナウイルス感染症から回復してすぐに働けるかどうかというのは、回復後の体調の問題や罹患後症状(後遺症)の問題がありますのでそう簡単ではありません。労働者復帰に際して配慮する点については、会社などからご依頼があれば当院で新型コロナウイルス感染症と診断された方については、診察の上、意見を申し述べることは可能です。

カテゴリー:お知らせ   |   2022年9月19日

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