高血圧は自覚症状がないことが多いですが、ただ症状がないからと言って放置すると脳卒中、心不全、狭心症、心筋梗塞などの心臓病をきたし、腎臓の機能を低下させ腎不全を合併することがある注意すべき疾患です。一般的に高血圧になる要因として生活習慣の乱れが挙げられます。具体的には塩分の取りすぎ、運動不足、お酒の飲みすぎ、ストレス、喫煙などがあります。当院でも高血圧で治療な方にはできる限り生活習慣の改善方法について指導を行っています。ただ医師の指導は患者さんが診察室におられる時間に限られるため患者さんに充分に指導の内容をご理解いただき、実践いただくのが難しいのが現状です。

　ここで皆さんにご紹介させていただくのがスマート降圧療法です。この治療ではスマートホンのアプリを使って生活習慣の改善をはかります。このアプリは4つのステップによって構成されています、すなわち1.高血圧の治療に必要な知識の習得、2.行動目標を立てて行動の実践、3.行動の習慣化、4.習慣の継続の以上４つです。アプリだけで血圧が下がるのかと疑問に思われる方もおられるかもしれませんが、臨床試験の結果ではアプリを使用した場合、使用しなかった対象者と比較すると治験開始12週間後の時点で10mmHg程度血圧が下がりました。このようにアプリの実臨床での有用性が認められ健康保険での使用が認められています。

　このアプリは具体的にどのような方が対象になるかと言いますと、高血圧と診断されたけどまだ薬の飲むのに抵抗がある。あるいはすでに降圧剤を飲んでいるが、まだ血圧が高く生活習慣の是正が必要と感じている。このような方は是非スマート降圧療法をご考慮ください。もちろんアプリでの治療と降圧剤治療を併用することも可能です。詳しいことは院長にお尋ねください。