神戸市東灘区(甲南山手) 内科・循環器内科 高血圧・糖尿病・高脂血症・心不全


つじもと内科・循環器内科

勝ちに不思議の勝ちあり、負けに不思議の負けなし

南海で活躍しヤクルトの監督で日本シリーズ制覇をした、往年の名捕手である野村克也監督がよく口にされた言葉があります。「勝ちに不思議の勝ちあり、負けに不思議の負けなし」。昔中学で柔道をしていたのですが、中2と中3のとき神戸市で準優勝をしたことがあります。ちょっと自慢してすいません(笑)。そのときは神戸市にも私より強い人が何人もいたので、何故2回も準優勝できたのか自分でもよくわかりませんでした。特に中3の準決勝は、その前の県大会に優勝した相手でとにかく投げられないよう必死だったことを覚えています。その代わり高校では全くだめでしたので、やはり本当は実力がなかったのだと今にして思います。
 医者になっても不思議の勝ちがありました。例えばお酒を飲み過ぎて、胃が痛む人に医院でたまたま腹部エコーを当てて、胃の前庭部(胃の出口近く)が腫れていたので急性びらん性胃炎を腹部エコーで診断できたことがあります。この時は循環器内科専門なのに消化器疾患を腹部エコーで診断できたので、自分も最近イケているなと喜んだりしていましたが、これなどビギナーズラックとも言うべきもので、今考えると恥ずかしいかぎりです。逆に負けに不思議の負けなしはいくらでも心当たりがあります。
自分でも診療で適切な判断をできていないときは、必ず何か1つの考えにとらわれて過ぎていたり、自分の知識や注意力等が不十分であったと、反省したことが往々にしてあります。自分の診断が100%正しいと思い込んでしまったときに、実はとんでもない思い違いをしているのではないか、他の可能性がないかと冷静になる必要があります。やはり目の前の患者さんに真摯に向かい合い、常に自分の考えに至らないことがないか自問自答することが必要なのだとこの年になっても思います。

カテゴリー:院長のひとりごと   |   2024年7月21日

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