最近観た映画 令和6年9月
### 最近の映画体験について
最近はアマゾンプライムなどのストリーミングサービスで簡単に映画を観ることができますが、どうしても途中でトイレに行ったり、映画のストーリーに入っていけない時に中断してしまうことが多いです。そうした経験から、映画を観るならやはり映画館で観ることを強くお勧めします。映画館の暗闇の中で集中することで、物語の世界に没入でき、映画の魅力を最大限に楽しむことができます。さらに、最近の映画館ではシニア料金が低く設定されているため、大変手ごろな価格で良質な娯楽を楽しむことができます。
### 『幻の光』
『幻の光』は、カタルシスを求める映画ではなく、静かで深い感情を描いた作品です。是枝裕和監督の美しい映像表現が際立ち、特に能登半島のシーンでは水平線が画面の上部に配置されており、ゆきえの閉塞感ややりきれない気持ちを表現しています。水平線が高く描かれることで、彼女が抱える重い感情が観客にも伝わります。
さらに、夫の父親を演じる柄本明が海を見つめるシーンでは、「じたばたしてもしょうがない」という諦念と受容の感情が込められており、この静かなシーンが作品全体のテーマと深く結びついています。
### 『恋する惑星』
『恋する惑星』は映画『タイタニック』とほぼ同じ時代に公開された作品で、当時の若者の間では『タイタニック』よりむしろ『恋する惑星』を観に行くのが「イケてる若者」と言われていました。この作品はウォン・カーウァイ監督によるポップでスタイリッシュな映像が特徴的で、香港の雑踏を舞台にしたラブストーリーです。金城武やフェイ・ウォン、トニー・レオン、ブリジット・リンが主演し、偶然の出会いと失恋を軽やかに描いています。特に、フェイの自由奔放なキャラクターや音楽の使い方が映画全体の雰囲気を作り上げ、青春の一瞬を鮮やかに切り取っています。
『幻の光』が静かな内省の映画であるのに対し、『恋する惑星』はエネルギッシュで、若者文化を象徴する作品として今も語り継がれています。
カテゴリー:お知らせ | 2024年9月19日