ご年配の方の弁膜症
最近、高齢化時代の到来とともにご年配の方の心臓弁膜症の手術適応
についていろいろ議論がなされています。心臓弁膜症の中で大動脈弁
狭窄症という病気は外来で診察しているとよく見られる病気です。この病気は
大動脈弁という弁膜が硬くなり、心臓から血液が大動脈弁を通って血液が大動脈に
流れにくくなる疾患で、外来で年配の方に心臓の聴診をして気付くことが多いです。
大動脈弁狭窄症の診断や、重症度の評価には心臓超音波検査が有効です。
この病気で注意すべきことは、症状がないときには経過観察可能ですが
一旦、症状すなわち運動したときの息切れや、気の遠くなるような感じ
が出現すると、状態が急激に増悪したり突然死の原因になったりする
ことです。このような方の治療法としては、内科的にお薬を投与しても
症状の改善されない場合は、外科手術の適応を真剣に考える必要があります。
患者さんの中には、いまさら手術はいやだと言われる方も多いとは思いますが
経過中、一般状態の良いときに手術の適応を考慮することが、今後重要に
なってくると思います。
カテゴリー:院長のひとりごと | 2013年3月23日