人間ドック学会の高血圧基準値
先日、区民健康講座で人間ドック学会の高血圧の基準値と
高血圧学会の基準値の異なることについて質問を受けました。
確かに人間ドックが学会の設定する健康人の血圧は収縮期血圧
上限147mmHg、拡張期血圧上限94mmHgであり、高血圧学会
の2014年ガイドラインの収縮期血圧140mmHg未満、拡張期血圧
90mmHg未満と両学会の考えに隔たりがあります。人間ドック学会
の見解を読んでみますと、このデータは人間ドックを受診された方の
中からある方法で健常人(スーパーノーマルの人)を選び出し、その方々の
血圧が上記の基準であったということです。ただ、このことで血圧は高血圧学会
のガイドラインより高くて良いというのは早計だと思います。そもそも高血圧学会
ガイドラインの根拠となったデータは、高血圧症の患者さんより得られたものであり
人間ドック受診者とは根本的に対象が異なります。決して高血圧学会の肩を持つ
つもりはありませんが、現在の時点では高血圧学会の基準を基本として考えるのが
無難なのではと思います。
カテゴリー:院長のひとりごと | 2014年5月11日