神戸市東灘区(甲南山手) 内科・循環器内科 高血圧・糖尿病・高脂血症・心不全


つじもと内科・循環器内科

いつまでたっても勉強は大事

 現在持っている内科専門医という資格更新のためには、セルフトレーニング問題
で60%正解することが必要です。セルフトレーニングは内科のすべての領域が
網羅されており、内科一般の知識を試す内容になっています。
 先日問題を解いていて、専門とする循環器は別として、その他の領域の知識が年々
あやしくなってきていることを自覚しました。例えば血液や神経の病気などは
現在はあまり診療する機会がありませんので、とてつもなく難しく感じました。
 ただ神経の病気は現在の診療の状況ではあまり診る機会がないので、まあいいか
と思っていました。しかしこの考えが甘かったことに気付かされることがありました。
 クリニックに来られた患者さんが、左手に力が入らないことを訴えておられました。
良く聞くと左の背中にも痛みがあるとのことでした。当初は全く診断名が浮かばず、
何となく気になり後日、再度受診するよう指示し一旦帰しました。
 その後、自宅でつらつら考えていたときに、これはある神経疾患ではとふとひらめき
ました。後日、再度受診されたとき、その眼で診ますと左手の腱反射がわずかに低下
しており、神鋼病院神経内科に紹介し、脊椎から出る神経の圧迫による神経疾患と
確定診断されました。問題を解いて神経疾患に対する感覚が、その時点で一瞬
研ぎ澄まされたのが、このひらめきの原因ではないかと後で思いました。
 昨今の医学の進歩はめざましく、残念ながらだんだんついていくのが、つらくなっている
ことは認めざるを得ません。ただこの仕事をさせていただいている限りは、少しでも
頑張ってついていくよう努力するのが使命かなと思います。

カテゴリー:院長のひとりごと   |   2015年8月29日

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