神戸市東灘区(甲南山手) 内科・循環器内科 高血圧・糖尿病・高脂血症・心不全


つじもと内科・循環器内科

在宅かかりつけ医を持ちましょう

 当院では現在、約10名程度の患者さんに訪問診療を行っています。
訪問診療とは種々の病気やご高齢のため通院が出来ない方に対し、ご本人や
家族の同意を得て、原則として月に2回ご自宅を訪問し診察や投薬を行うことを
言います。またこれらの方々のほとんどに、当院の携帯電話番号をお教えして
24時間体制で患者さんの病状の変化に対応できる体制をとっています。
 具体的にはご自宅に伺い診察をするわけですが、このとき最も大事にしているのが
診察の時の意識状態、体温や1分あたりの呼吸の数、脈拍の数、血圧
などの、いわゆるバイタルサインと言われるものです。これらのバイタルサインは患者さんの
健康状態を反映しています。そのため普段から患者さんを診ていると、バイタルサイン
の変化から異変にいち早く気付くことができます。
 具体的にはこのような例があります。いつも訪問診療しているお宅からおばあちゃん
が数日前より熱があり、しんどそうにしていると連絡がありました。さっそくご自宅に行って
みました。診察してみると熱は37度ちょっとで大して熱は出ていませんでしたが、
呼吸が速く何らかの感染が考えられました。熱が1度上がると脈拍が1分間に20増えるとされています。
熱が1度上昇したときに、さらに脈拍が40以上増えると、重症の感染症を考えなければならないと
されています。この方の場合はいつもの体温、脈拍から考えて1度当り、脈が30程度
増えていることが判りました。結局この方は肺炎であり、抗生物質を投与して1週間程度
で元気になられました。
 このように迅速に対応できた原因として日頃診察して患者さんのお体の様子やバイタルサイン
を知っていることが大きいと思います。信じられないかもしれませんが、かなり重症の感染でも
初期には採血しても血液検査に異常が全くないことがあります。
ですから病気の始まりでは、バイタルサインの異常を感じ取ることが最も大切です。
 在宅医療ではやはり患者さんの日頃の状態を知っているかかりつけ医の存在が重要と考えます。

カテゴリー:院長のひとりごと   |   2015年4月30日

    ページTOP