インフルエンザにご注意ください

この原稿を書いているのは11月末ですが、多くの方がインフルエンザ予防接種に来られています。予防接種によりインフルエンザの発症を完全に予防することはできませんが。接種をすればインフルエンザに罹る可能性は少なくなり、さらにインフルエンザになったとしても重症化を防ぎ死亡率を低下させる効果があるとされています。まだ接種されていない方は早めに少なくとも年内には接種をすまされますようお願いいたします。
 インフルエンザの治療についてご説明します。インフルエンザの治療薬は発症してから早期に治療を開始しないと効果が少なく、出来るだけ早期に(発症後48時間以内に)投与を開始する必要があります。そのためインフルエンザの診療ではいかに早期に診断し、速やかに治療を開始するかがポイントになります。
 インフルエンザの診断は1)突然の発症、2)38度を超える発熱、3)のどが痛む、咳をするなどの上気道炎症状、4)全身倦怠感などの全身症状などの所見があるとき、当該疾患を疑うべきとされています。しかし実際には上記4つの所見がすべて揃わないことも多く、その場合でも診察でインフルエンザを強く疑う場合には、インフルエンザの迅速診断の結果にこだわらず、治療を開始するようにしています。最近では皆さんよくご存じのことですが、インフルエンザが発症してから24時間以内では、咽頭(のど)にウイルスが増えていないことがあり、咽頭のウイルス量を検出するインフルエンザの検査が陰性のことがあります。また仮にインフルエンザであったとしても、最後まで検査陰性のこともありますので注意が必要です。今までの経験から、急に熱が上がってきたり、普通の風邪にしては倦怠感が強すぎる、あるいは熱が37度程度と低いのに脈拍が速いなどの所見があるときには、インフルエンザを疑い治療するようにしています。あとはあまり科学的な言い方ではありませんが、患者さんが診察室に入ってこられたときの様子です。インフルエンザの方は普通の風邪に比べて重症感が異なり、言葉にするのは難しいですが、なんともいえない、しんどさのオーラを発しています。最近は予防接種などの影響か、インフルエンザでもあまり高い熱が出ないこともあるので、自覚症状も大切です。皆さんも仕事のしすぎで疲れているのだろうと軽く考えず、ただの風邪にしてはおかしい、しんどすぎるなどと思われたら、インフルエンザを疑い受診してください。インフルエンザは学校や会社での欠席、欠勤などで社会に大きな影響をもたらします。またご高齢の方ではインフルエンザに罹ったあとに、
肺炎などの重篤な合併症をきたし、命にかかわることがあります。以上のことにご留意いただき、少しでもおかしいと思われたら早めの受診をお願い致します。