新型コロナウイルス感染蔓延期における当院の対応
そろそろ令和2年4月も終わろうとしておりますが、4月30日政府が緊急事態宣言について、期限の5月6日から1か月程度延長する方向で調整に入ったとの報道がなされました。新型コロナウイルス感染との戦いはまだまだ続く様相を呈しております。
最近当院で高血圧、糖尿病などの慢性疾患の管理をしている方から電話があり、医院に受診するのが怖いので電話で処方を出せないかとの相談がよくあります。当院としましても部屋の換気、アルコールによる手指の消毒、待合での患者さんに距離をとって座っていただくなど感染予防に充分な注意を払っております。しかしながら現在の状況では、お互いに距離をとることが正解だと思いますので、ご希望の方には電話でお体の様子をうかがい、塩分制限、運動など慢性疾患の指導を行った上で処方箋を発行するようにしております。処方箋もお近くの薬局にファックスをしておりますのでお気軽にご相談ください。
先程、当院での感染予防対策について申し上げましたが、万が一にも感染クラスターの原因とならないためにも、医療機関として医療従事者が感染をしないようにすることも大切です。医院受付にも飛沫防止のアクリル板を設置しておりますが、目障りかと思いますが、何卒ご理解いただきますようお願いいたします。
次に発熱をされている患者さんの診察についてお願いがあります。発熱している患者さんにつきましては受診される前に事前のご相談いただくか、直接医院内に入らず入口に掲示してある電話に連絡していただくようお願いいたします。発熱のある方が急に医院に入られますと他の患者との分離に手間取り、診療側としてもマスク、手袋などの感染予防体制が整わずに感染リスクが増してしまうこととなりますので、この点につきご配慮いただきますようお願いいたします。当院としましても後述する明らかに新型コロナウイルス感染症を疑わせる症状を呈する患者さんは別として、決して発熱のある患者さんの診療をお断りするというわけではありません。ただこの時期は普段より一層、注意して対応する必要がありますので、何卒よろしくお願いいたします。
最後に症状から新型コロナウイルス感染を疑う方への対応について説明させていただきます。風邪の症状や37.5度以上の発熱が4日以上続いている、強いだるさ(倦怠感)や呼吸困難がある方、または同症状が2日以上持続し高齢者や基礎疾患のある方については新型コロナウイルス感染症を念頭において対応する必要があります。神戸市医師会のトリアージ指針では、このような新型コロナウイルス感染症を疑う患者さんについては、原則として医院では診療せず原則として患者さんに相談センターに連絡して相談してもらうこととされています。当院におきましても同様の対応をとらせていただいております。その理由としてこのような患者さんをその他の患者さんと空間的に分離することが構造上困難であること、第2に完全な個人用防護具を揃えることができないことが挙げられます。当院でもサージカルマスク、ゴーグル、手袋などは揃えておりますが、長袖のガウンについては医師会より供給されたものを使ってしまい現在のところ在庫がありません。
ただ相談センターに相談しても、センターの対応によってはまず近くの医院受診を指示されることもあり、患者さんが困惑するという例もありました。このような場合については、普段からの病診連携のネットワークを生かして、地域の基幹病院に診療をお願いすることもできますのでお困りのことがありましたらご相談ください。
カテゴリー:お知らせ | 2020年4月30日