やめられない喫煙はニコチン依存症です。禁煙外来開始のお知らせ。
最近タバコの害が叫ばれています。喫煙者においては肺がんなど悪性疾患、あるいは狭心症や心筋梗塞などの循環器疾患の罹病率の増加のデータがあります。またタバコは喫煙しない家族にも影響を及ぼします。あるデータでは夫の喫煙で、タバコを吸わない妻が肺がんになるリスクは約2倍になるとされています。このようにタバコが体に悪いことが知られてきたため、多くの喫煙者は禁煙を試みていますが、実際に成功する方は少数にとどまっています。この原因としてニコチン依存症があると考えられます。脳にはニコチンが結合するニコチン受容体があり、タバコを吸うと煙に含まれるニコチンが脳に達します。ニコチンが脳の受容体に結合すると快感を生む物質がたくさん放出され、気持ちが良くなります。逆にタバコを吸わずにいると、イライラするなどニコチン切れ症状が起こり、再びタバコを吸いたくなります。このように喫煙がやめられなくなった状態をニコチン依存症といいます。一般にニコチン依存症は全喫煙者の約70%を占めると推計されています。ニコチン依存症かどうかは、簡単な質問表で判定することができます。現在、ニコチン依存症は健康保険で治療が可能です。標準的な禁煙プログラムでは12週間にわたってお薬を飲みます。この薬は脳のニコチン受容体に結合し少量の快楽物質を放出させ、ニコチン切れ症状を軽くします。また薬を飲んでいると、タバコがおいしく感じられなくなります。この禁煙プログラムの終了時点で、禁煙している人は72.0%であり6ヶ月後も半数以上の方が禁煙に成功していました。これは自分の意思での禁煙が5-10%程度であることと比較してプログラム成功率はかなり高いといえます。当院でも禁煙治療が可能ですので、何かご質問があれば院長にご相談ください。
カテゴリー:お知らせ | 2011年9月6日