枕草子 ちょっといい話
最近、枕草子にはまっています。もちろん原文では読めないので、現代語訳
と対比しながら読んでいます。その中に面白い話が載っていましたので、少し
紹介したいと思います。昔、時の帝が、ただ若い人ばかりを大事ににして
四十歳になった者を排除したため都に老人がいなくなったとのことです。
しかし中将であった方は大変親孝行な人で、こっそり自分の家の床下に穴を掘り
そこに七十近い両親を隠れ住ませたそうです。
さて唐の帝が、わが国の帝を何とかして欺いて、わが国を奪おうとし
三つの難問を示し、わが国の知恵を試そうとしたそうです。
皆が困っているとき、中将が両親に相談しますと、両親は見事にこの三つの難問
を解いて、唐の帝は日本の人は賢明だと思い、以後、日本の国を奪おうとしなくなったそうです。
時の帝は大変お喜びになり中将に褒美を与えようとしましたが、中将は官位はいりません
両親が行方不明になっていますので探し出し一緒に住みたいと答え、帝も許された
とのことです。(枕草子、講談社学術文庫より)
これって、今風に言えば老人力と言う事ですよね。最近は定年が延長され企業でも
六十歳以上の方も定年後も働かれることも多くなりました。このような社会の変化から
企業も若い人ばかりを大事にするのではなく、年配の方の知恵を生かすことが今後
大切になってくるのではと思います。
カテゴリー:院長のひとりごと | 2013年2月23日