神戸市東灘区(甲南山手) 内科・循環器内科 高血圧・糖尿病・高脂血症・心不全


つじもと内科・循環器内科

軽度認知障害(MCI)について

 高齢化の進行とともに、日本では認知症になられる方の数が増加する一方です。

認知症の多くはアミロイドβとタウ蛋白質の蓄積による脳神経の死滅が原因とさせていますが、

残念ながら現在のところ、このような蛋白の蓄積を抑える薬はありません。現在の認知症の薬

はいずれも認知症の進行を遅らせることが出来るのみであり、最近では認知症が発症する前

に早期に発見し、認知症発症を予防することに重点が置かれるようになりました。

 認知症と正常の方の中間に軽度認知障害(MCI)という状態があります。この状態にある方は

ほぼ正常の生活を送ることができるため、本人も家族も認知機能の低下に気付かないことが

あります。ただMCIは5年間で約半数が認知症を発症するとの報告もあり、この時期に見つけて

対策を行うことが、将来の認知症発症を抑制する重要なポイントとされています。

 MCIを診断するための簡単な質問が4つありますので一度ご自分でチェックしてみて下さい。

 1)今日が何月何日か分かりますか。 2)独りで買い物に行くことができますか。

 3)お薬はご自分で管理して飲めますか。 4)食事の準備を独りでできますか。

 以上の質問がいずれも、「いいえ」であれば認知機能低下の疑いがあるため、医療機関を

受診されることをお勧めします。精査の結果、MCIであると診断されれば、以下のような点

に注意して認知症発症の予防に努める必要があります。

 まず第一に毎日の生活を楽しむこと、可能であれば趣味など熱中できることを持つこと。

さらに認知機能は社会とのかかわりが少なくなると低下するとされています、

一日1回は必ず外出するようにしましょう。また適度の運動は認知症予防に有効です。

最後に生活習慣病をしっかり治療しましょう。高血圧症、糖尿病、高コレステロール血症は

放置すれば、将来の認知機能低下につながるとされていますので、医療機関でしっかり治療

してください。例えMCIと診断されたとしても、その時点からの過ごし方で、将来の認知症発症リスク

を減少させることができます。以上のことで何かご質問があれば気軽に院長にお尋ね下さい。

カテゴリー:お知らせ   |   2017年7月17日

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