インフルエンザについてのよくある誤解
年が明けるとすぐに、例年インフルエンザの患者さんが爆発的に増えてきますが、
患者さんの中には、どうもインフルエンザと言う病気について誤解があるようなので
是非この機会に説明させていただきます。その1、「予防接種をしたら罹らない」
これは間違いです。予防接種をすれば血液中の抗体は上昇しますが、
インフルエンザのウイルスの侵入を阻止することができないため、接種しても
罹ってしまう可能性はあります。その2、「検査が陽性でないとインフルエンザと診断
できない」。これも間違いです。インフルエンザになったばかりの超急性期では
その時点で咽頭にインフルエンザウイルスが充分に増えていないので、検査で
陰性になることがよくあります。ただインフルエンザの薬は、発症後48-72時間までの発症
早期に投与しないと効果がありません。そのため最近では少なくともインフルエンザの流行期
では、38度以上の発熱、頭痛、節々の痛み、著明な倦怠感などインフルエンザに特徴的な
症状があれば、検査陰性でも早期に治療を開始するという考えが主流となっています。
インフルエンザで40度以上の高熱が持続すれば、子供では頻度は高くありませんが
脳症による意識障害の危険性がでてきます。年配の方ではインフルエンザのあとの合併症の
肺炎の死亡率が可能性が高くなります。このため子供やご年配の方には特に早期の治療が
必要とされています。以上のことに留意いただき、少しでもおかしいと思ったら
速やかに受診していただくようお願いいたします。
予防接種をしたらかからないと高をくくってはいけません。最近では予防接種の影響か
あまり高熱の出ないインフルエンザもありますので、くれぐれもご注意ください。
カテゴリー:お知らせ | 2017年12月26日