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新型コロナワクチン接種(75歳以上)が5月中旬より開始となります

この原稿を書いている5月初旬にはまだ兵庫県に緊急事態宣言が出されている時期です。先日もレストランに行きましたが、午後8時までの営業であり何となく落ち着かず酒類の提供もありませんでした。飲食業界の苦境は大変なものです。プロ野球も無観客で開催され公共施設も休業も相次ぎ、我々県民も我慢を強いられている状況です。ご年配の方もコロナが怖くて外出が出来ないという声をよくお聞きします。
 このような状況を打開するために新型コロナワクチンが重要な鍵となりうるということは本年2月のみみより通信で申し上げた通りです。今回75歳以上のワクチン接種が開始されるに当たり特に年配の方でワクチン接種について気をつけること、あるいは疑問に思われる点につき説明してみたいと思います。最初にお断りしておきますが、決して私はワクチンの専門家でありませんので、この記載は新型コロナワクチンについての専門家の意見を参考にさせていただきました、(新型コロナワクチン今わかっていることまだわからないこと 日本プライマリー・ケア連合学会オンラインセミナー 守屋章成)

 以下質問形式で進めていきたいと思います

質問1 このワクチンの効果はどうですか
現在日本で接種予定のファイザー社のワクチンの治験によれば16歳では新型コロナの発症を95%抑制しました。しかもコロナの発症のみでなく重症化の予防効果が高いとされています。日本人のデータはまだありませんが、高い効果があると思われます。

質問2  副作用が心配なんですが
 ワクチンでは副反応という言葉を使います。副反応としては接種した部位の腫れ・痛み、発熱、頭痛、だるさなどがあります。これらの副反応の頻度は従来までのワクチンに比較して多いですが、幸いなことにこれらの症状は1日~1週間以内に自然軽快するとされています。

質問3 アナフィラキシー(強いアレルギー)が心配です
 ファイザーのワクチンでのアナフィラキシーの頻度は100万人中11~17人とされています。この数字は他の頻用薬よりずっと低いです。ただしご注意いただく点があります。このワクチンにはポリエチレングリコール(PEG)という物質が転科されております。PEGはいろいろな薬品に添加されており、以前PEGでアナフィラキシーを起こした方は接種は禁忌となります。そのためワクチン・薬剤のアナフィラキシー既往の方は設備の整った病院で接種されることをお勧めします。他院で投薬を受けている方は必ずお薬手帳をお持ちください。

質問4 注射はどのように行うのですか
 従来のワクチンは上腕の皮下に注射していますが、このワクチンは三角筋に筋肉注射を行います。そのため従来のワクチンより痛みが強い可能性があります。

質問5 例えば80歳~90歳の方の接種で注意することはありますか
 治験には高齢者も参加したが、超高齢者は少なく解析はなされておりません。ただ超高齢者ではワクチンによる充分な免疫獲得がなされない可能性があります。また現在、日常生活に支障をきたしておられる方は、ワクチンの副反応(発熱、筋肉痛)で寝たきりとなるリスクもあります。いずれにしても以上のようなリスクと感染・重症化のリスクを天秤にかけて納得いくまで医師に相談して決断するしかないと思います。

質問6 悪性腫瘍で治療していますが接種は可能ですか
 超高齢者と同様に充分な免疫獲得がなされない可能性や、発熱などの副反応で日常生活の質が低下する可能性があります。主治医、接種医師と納得するまで相談してください。

 
質問7 ワクチンの接種間隔が3週間以上となりますが大丈夫ですか
 当院はかかりつけ患者を対象とした接種会場として届け出しております。ワクチン接種に関して、医院の規模やスタッフ数の関係から充分な予約枠を設定できず大変ご迷惑をおかけしております。1→2回目の間隔が規定の3週間以上となっても充分な免疫がつくとされています。ただし1回目の接種で付いた免疫は4週間後でいったんゼロとなるため、1回目の4週間後~2回目接種までの間は感染リスクが高くなるため、感染予防に充分注意してください。

質問8 巷で話題になっている変異株に対する予防効果はどうですか
 ファイザーのワクチンでは変異株に対する中和反応が低下するとのデータがありますが、現在のところ結論は出ていません。ただしたとえ真の感染予防効果が変異株に対して減弱するとしても接種しない理由にはなりません。

質問9 ワクチンを接種することのメリット・デメリットを分かりやすく教えてください
 厚生労働省の抗体調査の結果から未接種でコロナ感染は1か月あたり1,200分の1とされています。有害事象10,000分の1未満 vs コロナ感染1,200分の1、あなたはどちらを選びますか。

質問10 ワクチンの予約に関して気をつけることがありますか
このワクチンは大変デリケートな取り扱いを要します。また一度ワクチンを溶解すると6時間以内に接種を完了する必要があります。そのためご年配の方でもお元気な方は貴重なワクチンが無駄にならないよう御影公会堂などの大きな接種会場で接種を受けられることをお勧めいたします。また当院で接種を受けられる方も、貴重なワクチンが無駄にならないよう予約日にお出でにならない場合は、ワクチンをキャンセル待ちの方に接種する場合があることをご理解ください。

カテゴリー:お知らせ   |   2021年5月3日

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