帯状疱疹はワクチンで予防できる
日本人成人の90%以上は 帯状疱疹の原因となるウイルスが体内に潜んでいて 80歳までに3人に1人が帯状疱疹になると言われています 帯状疱疹は、その名前のように体の片側の一部にビリビリとした痛みとともに、神経の分布に沿ってベルト状に水疱や赤い発疹ができる病気です。この病気が眼の周りに出た場合にはやっかいです。眼の角膜に病変が波及することもあり、角膜潰瘍の原因となることがあるため眼科とも相談が必要で注意を要します。また帯状疱疹は 治癒した後に帯状疱疹後の神経痛を起こすことがあり、この帯状疱疹後の神経痛は 著しく日常生活を制限します。ある統計によれば我が国の帯状疱疹の頻度は50代以降に上昇し、70代でピークになるとされています。やはりこのような病気には、とにかくかからないようにすることが一番大切です。
最近 この帯状疱疹に対して 新しいワクチンが 使用できることとなりました。従来使用できた帯状疱疹の 生ワクチンは、 帯状疱疹の予防効果は 接種後5-8年後に著しく低下することが知られており、接種後5年をめどとして 再接種の必要があると考えられています。 しかしながら 現在 使用可能となっているシングリックスというワクチンは製薬会社のデータによれば、 ワクチン接種10年後においても 帯状疱疹の予防効果は 73.2%と非常に高く 長期にわたって 効果が持続することが立証されています。また現在も長期の治験が進行中でありワクチンの効果が、10年以上さらに長期に持続する可能性もあります。ちなみに70歳以上の 患者における 帯状疱疹後神経痛の予防効果は 89%とされています。
このように シングリックスについては非常に良い臨床データが出ており 今後 帯状疱疹の予防に関しては このワクチンが主流になるものと思われます。ただしワクチンを接種する上で ご注意いただく点があります。まず従来の 生ワクチンは 1回接種で良いのに反して 2ヶ月の間隔を置いて2回筋肉注射を行う必要があります。 また従来の生ワクチンに比して 高価であることが挙げられています。副作用では筋肉痛、発熱など副作用が 従来までのワクチンに比して 高いことが 指摘されています。自身もこのワクチンを接種致しましたが 接種後に 全身の何ともいえない筋肉痛があり その後 微熱 倦怠感をきたしました。このようなことがありますので、お仕事や重要な用事の前には、接種を避けるなど注意が必要と思われます。
またこのワクチンは 医療関係者や 施設で働いて得られる方など高齢者や免疫能の低下した方と接する業種の方にも推奨されます。以前帯状疱疹に罹患された方も 接種していただいても差し支えありません。ワクチンを接種するにあたって、ウイルス抗体のチェックは必要ありません。帯状疱疹予防ワクチンは50歳以上の方が適応となります。
以上 新しく 使用できることとなった 帯状疱疹の予防ワクチンシングリックスについて説明させていただきました。詳しい説明や料金については 当院にお問い合わせください。
カテゴリー:お知らせ | 2023年5月28日