ガイドライン(診療基準)との付き合い方
最近、日本においても欧米の影響を受けデータ重視の医療
が主流となり、いろいろな疾患のガイドラインが各学会より出されて
います。高血圧ガイドライン、心不全ガイドライン、気管支喘息ガイドライン
等々。これらのガイドラインは膨大な臨床データをもとに作成されており
これらの疾患に対する医師の診療レベルを向上させるために有用であった
ことは間違いありません。ただこのガイドラインはある一定の条件で行われた
臨床試験の対象者のデータであり、我々医師が実際に臨床の現場で診ている
患者さんに、そのまますべて適応できるものではないということに注意すべきです。
ガイドラインは経験や勘だけでは得られない、科学的知識を与えてくれます。
しかしガイドラインの知識のみでは、充分な診療は困難です。
ガイドラインの知識をもとに、どの部分が当てはまって、どの部分が当てはまらないかを
考え抜き、患者さんごとに最善の治療を模索するのが医師の務めではないかと思います。
少なくとも専門医の仕事はガイドラインから出発し、その先にあると考えています。
カテゴリー:院長のひとりごと | 2014年5月11日