新型コロナウイルス関連肺炎について
中国、武漢において発生した新型コロナウイルス関連肺炎の感染者数は
令和2年1月31日の時点で9,692名、死亡者212名であり、世界各国にも
感染が広がっています。ただ日本での状況では、同じく1月31日の時点でも
12名であり、決して流行がみられているわけではなく、厚生労働省の国民に
対するメッセージでは、風邪やインフルエンザに対すると同じように、一人一人
の咳エチケットや手洗いなどの実施が強調されています。以上のことより皆様は
決して一部メディアの不確かな報道に惑わされることなく、各人ができることを
行うことが大切と思います。2002年から流行の始まった、重症急性呼吸器症候群
コロナウイルス(SARS-CoV)感染症(サーズと言ったほうが分かりやすいでしょうか)では
スーパースプレッダーと言って、感染者の中には、感染者から一人から十数人に感染
を広げる例がありましたが、今回の新型コロナウイルス関連肺炎については、現在の
ところこのような事例は報告されておりません。また中国における同肺炎での死亡者は
多くは高齢者や、糖尿病など何等かの基礎疾患を持っている方であったとされています。
感染を予防するための咳エチケットや手洗いは、標準予防策と言われます。標準
予防策の概念とは患者から発生する咳で発生する飛沫や、患者の体液はすべて感染性
があると考えることであり、ウイルス、細菌を問わずすべての感染症に有効です。ただこの標準予防策
も確実に行わないと効果がありませんので、以下具体的な方法について説明させていただきます
まず咳をしている場合は、マスクを着用するなどの咳エチケットが必要です。また
マスクを持っていないときは手で口を覆うのではなく、衣服の肘の部分で口を覆う方法
が推奨されます。手で口を覆うと手にウイルスが付着し、手で触ったものが汚染される
ためです。また手洗いですが、WHO(世界保健機関)の勧告でも新型コロナウイルス感染症
でもこまめに手を洗うことが推奨されています。このような手洗いによって、手に付着した
ウイルスを完全に除去することはできませんが、付着したウイルス量を減らすことにより
感染の危険性が減少するとされています。インフルエンザに関しては、個人的には
咳による飛沫感染が主な原因と考えており、手洗いはあまり重視してきませんでした。ただ
新型コロナウイルス感染症はまだまだ未知の感染症であり、現時点では手洗いをこまめに
手を洗うことをお勧めします。またマスクをする、手を洗うなどの行動が一人一人に広まれば、
個々の感染予防に対しての意識が高まり、ひいては社会全体での感染予防に役立つと考えます。
以上、新型コロナウイルス関連肺炎について述べました。繰り返しますが、現時点では日本の
状況は決して慌てるような状況ではありませんので、皆様にはくれぐれも冷静な対応をお願い
いたします。ただ注意が必要な点がありますのでここで強調しておきます。もし中国、武漢への
渡航歴があるか、武漢の居住者(日本への観光客を含む)との接触歴があり、咳、発熱などの
症状のある方は、症状が出たときには早急に地域の保健所にご相談ください。また各医療機関を
受診される場合は、医療機関内に入られる前に携帯電話などで必ずご相談ください。
新型コロナウイルス感染症の情報については刻々と変化しています。そのため最新の情報に
ついては厚生労働省のホームページでこまめに情報をご確認ください。
カテゴリー:お知らせ | 2020年2月2日