神戸市東灘区(甲南山手) 内科・循環器内科 高血圧・糖尿病・高脂血症・心不全


つじもと内科・循環器内科

新型コロナウイルスワクチンの接種について

新型コロナウイルス感染症もようやく感染者数が減少に転じており、この原稿を書いている3月6日の時点では兵庫県において緊急事態宣言が解除されております。このまま新型コロナウイルス感染が減少傾向をたどるかどうかは、新型コロナウイルスワクチンの接種が鍵を握っているものと考えられます。
 最近、当クリニックでもワクチンはいつ頃打ってもらえるのですか? あるいは自分はワクチンを打っていいのですかなどのお問合せをよくいただきます。このワクチンの特徴については、神戸市医療センター中央市民病院感染症科から当東灘区医師会に大変分かりやすい説明文書をいただきましたので、それに従い説明させていただきます。またさらに厚生労働省のホームページも参考にいたしました。
 まず話を始めるにあたりこのワクチンの特性につきご理解いただく必要があります。遺伝子技術を用いて作成されたこのワクチンは取り扱いに注意を要します。輸送の際に揺らさないことなどや、何よりワクチンは貯蔵施設において特殊な冷蔵庫(ディープフリーザー)を用い超低温で冷蔵する必要があります。また一旦ディープフリーザーより出したワクチンは5日以内に接種を完了する必要があります。さらに接種施設においてワクチンを解凍した場合、ワクチン接種を6時間以内に終了する必要があります。神戸市におきまして、ワクチン接種は大きな接種会場での集団接種と、診療所での接種の2本立てを考えております。しかしこのようなワクチンの特性を考えると、貴重なワクチンを無駄にしないためにも、皆様には出来れば集団接種をお願いいたします。しかしながらご高齢の方や、諸事情で接種会場に足を運ぶことができない方にはできるだけ当院で対応するよう努力いたします。その場合には万が一でもワクチンが無駄にならないよう、時間を区切った厳重な予約管理が必要であることをご理解いただくようお願いいたします。例えば予約時間内にお出でにならない場合、ワクチンの接種可能時間が過ぎてしまう恐れがあるため、キャンセル待ちの方にワクチンを回さざるを得ない場合があることを等をご理解いただく必要があります。
 次にワクチンの効果ですが、先ほどの感染症科の資料によると、ファイザーワクチンの治験の結果では、2回目接種7日後の時点で新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の発症が約95%減少するとされており、さらに重症COVID-19を予防できる可能性が高いとしています。ただこのワクチンによる免疫がいつまで続くかは不明です。このワクチンは約3週間の期間をあけて2回接種を行います。気になる副作用ですが、注射した局所の反応(主として注射した部分の痛み)が80-90%、全身症状(発熱、倦怠感など)が55-85%で見られますがこれらは接種後2日以内に自然に軽快します。また副作用の中で特に重篤なアレルギー反応であるアナフィラキシーの頻度は(2021年1月18日までのデータ)は100万接種あたり5.0例とされています。この値は従来のインフルエンザワクチンでのアナフィラキシーの頻度より高くなっています。しかし神戸市では2021年1月の時点で、単純計算で1日あたり神戸市民の約2万人に1人が感染していることになります(診断されていない人もいるため、実際はもっと多くの人が感染していると想定されます。)アナフィラキシーなどの重篤な副反応は、それと比較して小さい値であることがわかります。当院でもアレルギーの既往のある方には接種後の観察を充分に(30分以上)行うよう計画しております。また他院や接種会場で受けられる方も、必ず問診のときアレルギー歴を申告していただくようお願いいたします。
 最後にワクチンの優先順位ですが、ワクチン接種は多くの患者と接触する可能性のある医療従事者から開始し、高齢者、基礎疾患のある人を優先的に接種する予定です。一般の方への接種はそのあととなる可能性があります。以上、現時点でのCOVID-19ワクチン接種についての情報をまとめてみました。

カテゴリー:お知らせ   |   2021年3月7日

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