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高齢になっても元気に自分らしく暮らすためにー栄養の大切さー

皆さんはフレイルという言葉を聞いたことがありますか。フレイルとは加齢や慢性疾患の積み重なりによって脆弱となりストレス(病気など)によって、生活自立が損なわれやすい状態のことをいいます。フレイルになることにより死亡率や転倒のリスクが高くなります。また要介護の原因として脳血管障害に代わりフレイルが大きな割合を占めるようになりました。
 フレイルがどういうものかのイメージをつかんでいただくため、J-CHS基準(2020改定)を示しますのでご自分でチェックしてみてください。

1. 体重減少:6か月前から2Kg以上の体重減少がある
2. 疲労感:訳もなく疲れたような感じがする
3. 握力低下:簡単に言えばペットボトルを開けることができますか
4. 身体的活動量低下:軽い運動・体操をしていますか? 定期的運動・スポーツをしていますか? いすれも「していない」と回答
5. 歩行速度低下:横断歩道を1回で渡れますか?

いかがでしたか3項目当てはまる場合をフレイル、1~2項目であればフレイル予備軍と考えられます。でもがっかりしないで下さい。フレイルとは固定した状態ではなく、後述するような適切な対策をとることによりフレイルの状態から改善する可能性を有しています。
早期からのフレイル予防には①栄養、②運動、③つながり/社会参加の3本柱が重要と考えられています。②③については別の機会に述べるとして今回は栄養について注意すべき点を述べたいと思います。ご年配の方で特に女性でご自身の体重を気にしておられる方がおられますが、最近の研究では年配の方では少しぽっちゃりとしているほうが生命予後がよいとされています。ここで厚生労働省のホームページからフレイル予防のための食事のとり方について3つのポイントを挙げます。
① 3食しっかりとりましょう 
② 1日2回以上、主食・主菜・副菜を組み合わせて食べましょう 
③ いろいろな食品を食べましょう

主菜はごはん、パン、麺類、など 主菜は肉、魚、豆腐、など 副菜は野菜、きのこ、根菜、海藻などを指します
 特に最近では高齢者でたんぱく質を十分摂取することが大変重要とされています。例えば同じく厚生労働省のホームページから、運動量が少なく、1日のほとんどを座って過ごす方のたんぱく質必要摂取量は最低でも77gです。これは豚肉ロースなら約350g、鮭の切り身なら5切れに相当します。これだけのものを1日で食べるのは大変ですね。ですから必要なたんぱく質を十分摂取するためには工夫が必要です。とにかく食事は3食しっかり食べましょう。いろんな食品からたんぱく質を摂るようにしましょう。たんぱく質を手軽に摂るための工夫では朝食の目玉焼きをハムエッグにする、夕食ではごはんを納豆ご飯にする、みそ汁を豚汁になどの工夫があります。お茶の代わりにコーヒーに豆乳を入れて豆乳ラテなどいかがですか。間食でもヨーグルトなどたんぱく質の多いものを選びましょう。また調理する時間がないときは市販の冷凍食品や缶詰を上手に利用してください。我が家でももう一品欲しいときはサバの水煮缶を利用したりしています。最後に食事は皆で集まって食べることで食欲が増進します。ご家族や友達と会話しながら食べましょう。
 皆様もしっかり食事を摂ってフレイルを予防しましょう。何かご質問があれば診察のとき遠慮なくお尋ねください。

カテゴリー:お知らせ   |   2022年12月1日

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